介護資金が不安。敷地を分割して売却すべきか
ご相談者様の家族構成・資産情報
T様は58歳の女性で独身です。
現在80歳になるお母様と一緒に暮らしていらっしゃいます。
お父様は5年前に亡くなられました。
ここ最近、お母様の体調が悪化しているとのこと。
病院に通っているわけではないのですが認知症の疑いがあり、T様が介護をしている状態です。
T様は2人姉妹の妹で、長女は別の所で暮らしており世帯を持っています。
お姉様は遠くに住んでいるためなかなか会うことがなく
相続の話をする機会を持てずにいます。
T様の不動産資産は、現在お母様と暮らしている家とその250坪の敷地のみです。
この家は、T様の名義となっています。
相談内容
母親の介護のための資金が不安
T様のお母様は現在年金で暮らしており、介護費用が発生した場合はT様が支払いをしています。
それは結構な金額です。
これから先の介護費用はどれくらいかかるのか、自分の稼ぎだけで払うことができるのか、
T様は以前から不安を感じていました。
課題、問題点
ここ最近で母親の体調が急に悪化。資金問題を早急に解決するには?
T様のお母様は、今まではとくに体の不調もなく生活していました。
しかしここ半年ほどで急激に体調が悪化し、認知症の症状がではじめました。
T様はお母様の認知症の症状が進むスピードが早いことをとても心配していました。
認知症が進めば、T様一人でお母様のお世話をするのは難しくなるのでヘルパーさんに来てもらったり、デイサービスを利用したりすることになるかもしれません。
病院での治療費もかかります。
お母様がケガをしないように、階段に手すりをつける・部屋の段差をなくすなど、家の改修工事が必要になる場合もあります。
今まではT様が介護費用を支払っていましたが、このまま症状が進めば払えなくなってしまうかもしれません。
お母様の認知症の進行具合からいっても、できるだけ早く介護資金の問題を解決する必要があります。
T様はもともとお母様がご高齢ということもあり、不動産相続について学ぼうと「不動産相続窓口」のチラシがきっかけで何度か相続勉強会に参加していました。
そこで今後の介護資金の解決策はないか、「不動産相続の相談窓口」のアドバイザーに個別に相談をすることにしました。
解決策
T様のご自宅を確認、敷地の要不要を整理
T様の不動産資産は、現在お母様と暮らしている持ち家とその敷地のみです。
他に亡くなられたお父さまから相続した土地などもないので、土地を貸したり売却して収入を得ることはできないかと思われました。
しかし「不動産相続の相談窓口」のアドバイザーが実際にT様の実家を見に行ったところ、T様とお母様が暮らす家は土地の半分ほどしか使っておらず、他は駐車場や倉庫、自家菜園などに使用していることがわかりました。
今はお二人しか暮らしていないのでそれほどスペースは必要なく、駐車場や倉庫などは不要と思われます。
自宅部分のみ残し、残りの土地を売却して資金を確保
駐車場や倉庫に使われている土地を利用して、戸建賃貸や小さめの賃貸アパートを建てれば
そこから収入を得ることができる可能性があります。
しかし、T様は家賃収入で継続的に収入を得ることよりも認知症が進行しているお母様の介護費用のために出来るだけ早くまとまった資金が必要だと思っていました。
そこで「不動産相続の相談窓口」のアドバイザーは、全体の敷地のうち自宅部分だけを残して、残りの土地を売却することを提案しました。
T様の土地は250坪で、自宅に使われているのはそのうちの120坪です。
残りの130坪を売却すれば、売却金額は約4,000万円ほどになると想定されます。
これなら十分な介護資金になるとT様は安心し、敷地を分割して売却することに決めました。
この事例から学べること
土地を売却することのメリット・デメリットを把握しましょう
使っていない土地がある場合、土地を貸す、売却するなど複数の選択肢があります。
土地を売却することのメリットはまず、資産を現金化できることです。
現金化することで、その資金で住宅ローンを支払ったり、または他の立地のよい土地を買ったりすることもできます。
今回のケースでは、T様はなるべく早くお母様の介護費用に使う資金が必要でした。
そのため、土地を売却してまとまった資金を得ることを選択したのです。
また現金化することで相続人が複数いた場合に遺産を分けやすくなります。
T様は2人姉妹ですので、お母様が亡くなられた場合は残った現金を平等に分けることができます。
もちろん、土地を売却するのはデメリットもあります。
土地を貸した場合と違い、売却してしまえばそれ以降はその土地を利用して収益を得ることはできなくなりますし、宅地として使用していた不動産資産を現金化することで、相続税上の評価は大きく上がります。
それによって相続税がかかるようになってしまうということもありますし、売却して得た利益にも税金がかかります。
使っていない土地をどう利用するかは、ご自分の状況、その土地がどのようなものかで選択肢は変わります。
それぞれのメリット・デメリットをきちんと把握したうえで判断しましょう。
まとめ
いかがでしたか?相続した土地をどのように使うのが自分にとってよいのか判断するには様々な専門知識が必要です。
相続について何から始めていいかわからない、不安だ、といったことを少しでも感じているなら、ぜひ専門家にご相談ください。
「不動産相続の相談窓口」では全国で随時勉強会を開催しております。
個別に相談するのは億劫だと言う方は、まずはお気軽に勉強会にご参加ください。
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