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相続後の手続きを知らなかったA様

はじめまして。
私は「不動産相続の相談窓口」という事業の責任者をしております、谷原です。
仕事柄日本全国を回っておりますが、こちらでは全国で実際にあった話を中心にご紹介をしたいと思います。

愛媛県の方で実際にあった話です。

既にご主人がなくなられて2年が経過していらっしゃるA様(80代女性)。
地元で開催されていた相続勉強会に参加した後、個別でご相談に来られました。

A様:
「相続で何か手続きをしなければいけないことすら知らなかった。
勉強会では相続税は10ヶ月以内に納税しなければいけないと言っていたけど、まずいのでしょうか?」

大まかな資産内容をお聞きすると近隣の駅近くに自宅と農地をお持ちで、他に現金も持っている…
ということでした。

そもそも論として、まず相続税がかかるかかからないかの判断が必要になります。
ということでA様の娘さんも一緒に来ていただいて税理士の先生のところへ伺います。
幸い(と言っていいと思います)、かかる相続税は30~40万円程度で済みそうだとわかりました。

まず、このような方は相当数いらっしゃるのではないでしょうか。
ご家族が亡くなられて動揺しているときに、その後の手続きを速やかにできる方など普通いらっしゃらないと思います。
また相続後の手続きは何をしなければならないか。
懇切丁寧に教えていただける機会自体あまりないのが実態ではないでしょうか。

さて納税額自体は何とかなりそうでした。
しかし更に相談は続きます。

現在、所有している不動産のうち、亡くなったご主人の弟さんとA様の共有名義になっている農地があるとのことでした。
またこちらの農地は既に他の方に耕作を依頼していらっしゃいます。
この状態でさらにそれぞれのご家族で相続が進めば、この農地の共有持ち分は更に子世代に引き継がれていき、持ち分所有者が増える可能性があります。

A様と亡くなられたご主人の弟さん。
関係者がこのお二人のままであればまだ良いですが、しばらくするとそれぞれの子世代に相続されます。
そうなると関係も疎遠になり、連絡先も知らなかったり、愛媛県から他県へ出て行ってしまうこともあるでしょう。

そうするとのちに売ろうにも何か活用しようにも、土地の持ち分所有者の確認が必要となりとても面倒になってしまいます。

相続時に安易に不動産を”共有”で持ってしまう方が結構いらっしゃいます。
急いで決めないといけなくて仕方なくこうしたというのはあるでしょう。
しかしのちのち揉め事の火種を残しておくことはあまり得策ではないのです。

さてA様のご不安はそれだけに留まりませんでした。
お話をお聞きすると同居の娘さんお孫さんとの生活資金も
現金として手元に置いておきたいというご事情がありました。

ここでA様にとって幸運だったのは、
「ただただ農地だけという不動産の話ではなく、資産全体の相談に乗れた」
ということです。

この農地をどうするかという選択肢は、ご家族の状況や、資産状況、A様のご家族や資産への思い入れなど様々な状況を鑑みて決断を下さなければなりません。
個々の不動産だけ考えると大局を見誤ってしまうのです。

結果的には、こちらの農地を売却することになりました。
その答えに行きついたのは、現金を確保したいという要望、加えて親族による共有名義であるために起こり得るトラブルや面倒のタネを消す、という要望を解決するための手段(がたまたま売却)だったためです。

このお客様からも
「先に税務署から連絡が来たら、普通に法定通りに分けていたと思うし、後々のトラブルなど想定しないで進めてしまっていたと思う」
と大変感謝されたそうです。
めでたしめでたし。

でもこんなケースばかりではありません。
相続というタイミングを前に自身の資産をどう分けるのか。
特に不動産が関わるとどう考えればよいのかと難しくなってきます。
自分で勉強はしつつも最後は信頼できるアドバイザーを探したいですね。

今後、この土地は人気の小学校区の近くだということで住宅地に変わるようです。
不動産は適切に流通させ、活かせる方に持って(使って)もらうことで価値を持ちます。

相続は結果的に不動産の動きをストップさせてしまうことが多く、それ故対象の不動産を不活性資産とさせてしまいます。
代表的な例が相続で発生する空き家ですね。
不動産が適切なタイミングで適切に活用してもらえる人に繋いでいければその地域の価値も保たれます。

相続で不幸になる人が減り、地域の不動産価値が守られますように。

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